昔の写真を探していてわかりました、初めて富士山に登ったのは2007年でした。
NPO法人富士山測候所を活用する会が立ち上がった初期に、測候所内部で講習会が開かれるということで参加したのが最初でした。それから十年以上、現在も活用する会は富士山測候所で各種観測研究実験をしています。
興味がありましたらぜひとも活用する会のページもご参照ください。
それから十年以上、一年で複数回登った年もあるので合計では十数回目かになるはずですが、毎年富士山に登れることに感謝です。
今年も山閉じをした後ですいているときに、と思っていたのですが、予定を見ると年末までぎっしり、ということで9/14~17のどこかで登ることにしていました。
前半はお天気がいまいちでしたが、16~17日はどうやらお天気が回復しそうです。唯一、下界で雨なら富士山は雪…が心配でしたが、山頂の気温も0度以上ということで、初雪も初冠雪も観測されず、今回は隊長一人での静かな?初秋の富士登山になりました。
御殿場ICから富士山見えないんですけど…
いつものように御胎内温泉で沐浴してからと思って夕方五時ごろに行ったら、さすが連休二日目、内湯も露天湯も洗い場も完全な芋洗い状態です。何とか一通りすませてお風呂から出たら、豚ロース焼肉定食でエネルギーチャージします。
そして富士宮登山口に六時半過ぎに到着すると、けっこう他にも人がいっぱいいます。お天気が回復するからか、皆さん狙っていたのかな?という自分もそうなんですけど、あとはぷしっと寝酒を飲んで車の中でゴロゴロうとうと…
できない!?
なぜか今回は全然眠くなりません。ほろよいを飲んでいるのに全然ほろ酔いにならず、眠気がきません。しかもお腹が痛くなるし…ということで出すものだしても寝袋にくるまって…あつい、なんでこんなに?っていうくらいにあったかいです。
結局ほぼ寝られずだらだらと時間を過ごしていました。それにしても星がすごい良く見えます。そとは風もぬるく、いつもと感じが違います。
09月17日の出は05:18なので、23日の23:30までにスタートすればいいかなと思っていましたが、眠れないし昨年みたいにぎりぎりもいやだなということで、出発を23:00すぎとして準備して、結局いつものように23:15ごろに登頂開始です。
富士宮登山口
六合目
新七合目(六合五勺)
本七合目
八合目
九合目
九合五勺
十合目
六合目、新七合目、元祖七合目とつめていきますが、寝ていないのでどうにも体が重たいです。まぁいつも体重が重たいんですが、今年は結構締まってきたかなと思っていたのに、さすがに弾丸登山はつらいお年頃です。
今回は去年よりも暖かいのですが、風がやたらと強いので汗もそれほどではありません。
結局スタートはインナーとTシャツのみで、新七合目(六合五勺)でライトシェルその一、その後八合目でライトシェルその二を着た後はレインコートを着ることもなく、最後の奥宮から剣ヶ峰の間でスリーレイヤーのグローブに変えるだけでした。
それにしてもストックがあるとないとでは登山速度が全く異なりますね。
本七合目まではストックなしでバテバテながらなんとかコースタイムくらいで、その後もストックを使ってもだいぶバテバテでした。
しかも九合目から上のルートは去年とはまただいぶ変わっていました。
さらに九合五勺からのルートはほぼ直登に変わっています…これはきつい。
しかも左側の山体崩壊を防いでいるネットもそろそろやばそうなので、来年はさらにルートが変わる感じです。
そんなこんなでひぃひぃいいながらも、なんとか五時間ちょっと、04:30には十合目、浅間神社奥宮まで登ることができました。
あとは剣が峰ですが、活用する会の連絡にもありましたが、馬の背へのブル道がちょっと変わっていました。それにしても風が強い!ストックなかったら完全にしゃがむか何かしないと吹っ飛ばされそうです。
そうこうしながらも、05:00には日本最高峰の剣が峰に到着です。
それにしても東側はとってもいい天気です。
西からはものすごい風が吹いていて、雲も時々流されてきますが、火口の中で渦を巻くんですね。
富士宮登山口では結構な車の台数がありましたが、剣ヶ峰には数人しかいません。四度目(今までに四回?)の富士山という方はご来光を見るために十合目から走ってきたそうです。息がぜんぜん整わないって最後まで言ってましたけど、気持ちわかりますけどねー。だって…
こんなにきれいなご来光ですから。
というわけで、今回もしっかりご来光を拝むことができました。が、かくいう隊長もバテバテなので特に何かイベントをすることもなく、下山することに…でも測候所の階段を下りてから、馬の背を下りるかどうかすごい悩んで右往左往して、やっぱりちょっと無理というか気分が乗らないので、影富士も撮りたいしということで左の御鉢回りルートにしました。
影富士はとてもきれいだったのですが、大沢崩れの上のコルが、もーすっごい風でストックで耐風姿勢、三点支持しても体を持っていかれそうになります。こっちにこなければよかったー、でも馬の背もすごい強風だったしー…
反対方向から回ってきていた若者二人組は強風を楽しんでいた感じですが、一歩間違ったら吹っ飛ばされて終わりですから、隊長はガクブルです。
よたよたしながらなんとかやばいエリアを通過して、無事に久須志神社にたどり着いてお参りです。
そしたら若者四人組の一人が不調をみんなに訴えていたので「高山病?」と聞いたら腹痛とのこと…あー、富士山って見えないところないからねぇ。登る前に済ませてこれた隊長はラッキーでした。
その後、奥宮までのルートを強風をしのぎながら歩いていると、御殿場ルート付近で、さきほどの強風二人組とすれ違いで再会。
そんなこんなでなんとか奥宮に戻ってこれました。
そしたら広島から来たという別の若者二人組が「ここ(九合五勺からの直登)下りたくねぇ」と言っていたので「わかるわー」とか、ブル道を教えてあげたり、温泉入って帰りたいらしいけど富士宮登山口から西の方にはお勧めの温泉はないんだよねー、とか話をしたり…
山閉じ後の富士山は人が少なくて、それでいてみんな富士山に登ってきたっていう同じ経験をしてきた人ばかりなので、なんかいいですね。 😀
で、今回は隊長一人なので、ブル道をザクザク下ります。
先ほどの広島の二人組は結局登山道を戻ったみたいで九合五勺で再会。
ブル道いいなーと言っていましたが、お勧めできるのは九合目まで。
なぜならば、そこから先は入り込んでいるので地図がないと間違えて御殿場ルートに行きかねないので。
地図といえば今回、Geographicaというアプリをスマホに入れておきました。
このアプリ、国土地理院の地図で現在地を表示してくれて、一度表示した地図はネットにつながらなくてもキャッシュしておいてくれるという優れものです。
今回は七合目までブル道を下りましたが、紙の地図よりも便利(自分の位置を表示してくれるから)で、もう手放せません。
そんなこんなでおなじみのゲートで封鎖されている六合目に09時過ぎに到着。
そしたら剣ヶ峰で一緒にご来光を見た方と再会、なんでも宝永火口を回ってきたそうで、ゴールデンコースですねー。お互い無事にここまで降りてこれてよかったよかった。ところでその方が「普通の人」が「普通の靴」で宝永山にくるのは何とかならんのかなぁと言ってましたけど、ほんと、なんであのアリ地獄にみんな、しかも逆に上りに行くんでしょうね、普通の靴で。一歩進んで二歩後退するような砂走なのに。(笑)
帰りはいつものようにお風呂に入って汚れを落として、余り物のおにぎりをもぐもぐしながら、高速で明るいうちに帰宅して、無事に今年の富士登山を終えることができました。
来年もちゃんと寝てから無事に登って、一期一会の素敵な出会いをしたいですね。