富士山に登り隊2011 2011.09.17~18
今年も日本一の山、富士山に登ってきました。
九月最初の三連休にと思っていたのですが、数ヶ月前から隊員の皆さんにそれとなく話を振ってもまったく乗り気でない(!?)ので、今回は隊長の単独行と決め込んでいってまいりました。
予定としては17日の夕方に富士宮口:新五合目に入り、仮眠を取って夜中からと考えていました。というのも、新五合目で高度順応するのはもちろんなのですが、台風がのろのろと南海上から向かって来ていたのですが、それが天気予報どおりに逸れるまで寝て待ってようと思ったからでした。
18時過ぎについたのですが、もう雨ザーザーでこれは無理かも、なんて思ってしまいましたが、とりあえずお腹を満たしてひとまずお休みなさい。
おやおや、0時近くになりますと時々月や星も見えてきました。そんなわけで、当初は0時にはスタートと思っていましたが、天候を見つつ0:45頃からスタート。
六合目では若者男女数人のパーティーが登山道へのところでうろうろしています。いってみたら何と今年はえらい頑丈なバリケード。ただのついたてではありません。とはいえ、まあ横を見たらどう見てもここをまたいで行けという感じで人一人通れるスペースがあります。笑
自分が若者パーティーを置いてまたごうとすると『そこからいっていいんですか?』という。
隊長『まーどーみてもここ通れって感じであいてるしねー、大丈夫じゃない?』
若者『ありがとうございます!!』
隊長『いやいや、しらないよ、自己責任だから、登山は』
といいつつ、その格好だと上まで行くのはちょーっと無理だろう、とは言わなかったけど。
(エマージェンシーな銀マットで体包んでいるくらいだし…)
歩き始めはぱらぱらですが、六合目をすぎたあたりからあっという間に満天の星空と明るいお月様の登場です。しかもまったくもって涼しい、汗はそれとなくかいていますがダバダハというほどではなく、とても快適な登山です。
若者パーティーを尻目にマイペースで高度を上げていくと、今度はおばさんが一人たたずんでいます。こんにちはー、と声を掛けると何でも栃木から来たとかで、ばてちゃったとのこと。
単独かどうか聞くの忘れましたが、当の本人は
おばさん『満天の星空が見えただけでとっても満足、きてよかった』
といっていました。それはよかった、ほんとうにきれいだったしね。
まぁ単独なら納得して帰るかなってことでさらに先に進みます。
そんなこんなで何組かのパーティーや単独?を抜きながら登っていくと、あぶなっかそうな格好の若者三人組がもそもそしています。 こんにちわーと声を掛けると、かえってきた言葉が
若者『すいません、後ろからついていってもいいですか?』
隊長『え?』
話を聞くと、三人で来たけど二人がばてて七合目から(いやそれは多分本当の七合目ではない…とはいわなかったけど)降りてきたけど、どうしても自分は行きたいんです、という。 えー、オレ遅いよ、それでもいいのと、ペースが遅かったらずんずん先いってもいいよ、というのと、もしダメだったら自力で降りるならいいよ、ということで合意成立!? 二人から必要なもの(とにかく上に行くなら寒いから暖かくなるものを持っていけ、と指示)をもらって、単独登頂から一転、パーティーが出来てしまいました。笑
というわけで、ここでパーティーに加わったのはケンゴ君。
なんでも写真展をみんなで開くので、自分はぜひとも富士山からのご来光を撮りたいということできたらしい。それはすばらしいモチベーションだ、しかも歳は自分の半分くらいだから体力的にも問題なし。ただ『登山初めてなんですよー』『富士山初めてなんですよー』にはまいった!! 爆笑
まぁ靴もちゃんとしているしレイヤーも一杯持っているし、水も2リッター持っているというから大丈夫でしょう。
そんなこんなで二人になったので自分もモチベーションアップしつつ、いろいろお話しながらいいペースで登ります。小休止は基本的に山小屋だけ、ケンゴ君はいろんな人に声を掛けて写真を撮り合ったりしています。若いっていいねぇ。笑
九合目では町田から単独行の男性にも声をかけて、剣が峰で待ってるよーという約束をしたり。
そんな感じで途中ちょっと息を入れたりケンゴ君の写真撮影で立ち止まったりするけど、それでもなんと4時間ちょっとで登頂!! ちゃんとケンゴ君がいい画を撮れるように!?五時前に登頂できて、自分的にもびっくりな新記録です。
日の出には30分あるので、浅間神社奥社前で右にいくか左にいくか提案です。
右(東側、山口館の方ね)に行けば、眼下には関東平野がバーンと広がっていて、たぶん雲海がちょっと広がっていて、レンズにもよるけど広角あるならばっちりダイナミックな画が撮れるよ。左(西側、剣が峰のことね)に行けば名実ともに日本一高いところからのご来光になるよ、ただちょっと富士山の火口が入ってしまうからワイドな広がり感はないかも、とアドバイス。ケンゴ君はできれば東がいいかも、ということで、んじゃ東のほうに行ってあとで剣が峰にいくことになって、ケンゴ君はもうダッシュで奥社から登って行きました。(あーあ…)
自分はてれてれ後からいったのですが、早速写真を撮ってる撮ってる。でもここからだとまだ富士山そのものが映るのでさっきいったようなバーンといった写真が撮れません。ある程度写真を撮った後でさらに東の、山梨側からの登山口の終点である山口館の方を目指します。
で、ココでさっき走ったケンゴ君がばてました。笑
まぁまだ時間あるから大丈夫、といいつつも、どうも山口館までは無理そうなので手前で撮影場所を陣取って10分後の日の出を待ちます。
後ろには剣が峰。
強風ふく中じっと待ちます。
キタ――(゚∀゚)――!!
自分も東側からのご来光は初めてでしたが、いい画が撮れました。(^-^)/
その後、剣が峰に移動する途中で九合目にいた人と無事再会!! 結構へばっていたみたいだけど、よくがんばった!!
男性『山頂には水ないですかねー』
隊長『残念ながらないよ、みんな閉まっているし』
ケンゴ君『自分まだあるのであげましょうか』
隊長『だめだめ、このあとなにがあるか判らないから。あとどれくらいあるの?』
男性『700mlくらい、2.4リッター持ってきたのにこんなに飲むと思わなかったです』
隊長『自分も3リッター持ってきたけど、もう2リッター飲んじゃったよ。』
隊長『でも後は下るだけだから700mlあったら大丈夫だよ』
なんてやり取りしながら、自分たちは剣が峰に行くので一息ついて登れそうだったらおいでよー、といってあとにしました。
馬の背にはキャタピラのショベルカーがへばりついています。
そこをケンゴ君にキックステップを教えて、上でカフェオレ作ってあげるよと騙し騙し(笑)登らせます。彼は「階段の方がいい」と階段嫌いの自分と真逆のことを言っていたので「ほら、あそこまでいったらあとは階段だよ」といって何とか測候所下まで到着。
そして剣が峰についにたどり着きましたー!!
お、今年はちゃんと3776mになってる!!
これは今日も一日暑くなりそうだ。
一番高いところのお賽銭!?
写真に写るときだけは元気なケンゴ君。このあと横になっていたよね。笑
剣が峰でカフェオレ飲もうとストーブをカチカチするも着火せず、残念ながらカフェオレにはありつけませんでしたが、まだいくつか残っていたアミノバイタルを一つケンゴ君にあげました。(これでかえりは元気百倍だろう…みたいな)
それにしても、こんなシーズンでも団体さんがわんさか来ます。というか、山閉じした後の自己責任シーズンでツアーがあるんですね、101から105号車までは確認できましたので、大型バスであんなチャラい格好の人までみんなして連れてきてすごいなぁ。自分なんて若者一人連れてくるだけで大変なのに、みんなのモチベーションを維持しつつだから大変だー。
で、メーリングリストで告知していた時間よりも一時間遅れでアマチュア無線で声を出すもだれもおらず、誰か日の出の時間に聞いててくれたのかなーと思いつつ今回はケンゴ君が高山病の雰囲気になってきたので、6:45、早々に下山を開始しました。ケンゴ君、測候所から降りる階段で「きた」みたいで、また一人階段が嫌いな人が誕生しました。笑
自分の目的のもう一つ(一つはご来光撮影、それと無線ね)はブル道でどこまで下れるのかを確認するためだったので、 ケンゴ君をブル道の所まで連れて行って、この九十九折をてれてれ歩くんだけど…あれ?あそこ歩いているの町田から来た人じゃない?となって、ブル道を降りることに決定。
声が届きそうなところで声を掛けるとやっぱりそうだったらしく、しばらくして追いついて三人で下ることに。町田からの単独行はシンペイ君。関東の山ばかり歩いていたけど、今回思い切って富士山に挑戦したとのこと。これから八ヶ岳とかアルプスとかいってみたい、テント泊もしてみたいということでした、富士山登っちゃったから大丈夫でしょー。
さらに足の速い関西の大阪大正区と兵庫尼崎からきた二人とも抜かれたり追いついたりだったり、かと思えば鏑木毅さんばりのトレイルランナーにぶっちされたりしながら、自分たちも六合目下まで2時間ちょっとで降りて来れました。
単独行を予定していたのですが、思わぬ出会いから楽しい山行になりました。
みんなありがとう!!
『五にんの感ちがい』
会期:9月30日(金)~10月12日(水) ※木曜/定休日
場所:フォトカノン戸越銀座店
http://www.photokanon.com/こちらです。ケンゴ君の力作ほかをぜひご覧ください。